トラベルニュース

1月25日 発行所 株式会社 トラベルニュース社  
大阪市北区西天満6丁目5-17 電話(06)6311-9169 
 
 徐々に広がる「プロジェクト−Lシステム」

 
 浴槽におけるレジオネラ属菌感染による死亡例が報告されているなか、従来から浴槽の殺菌には次亜塩素酸ソーダが多用され、感染の防止が行われている。

 ところが、次亜鉛素酸ソーダーでは配管や濾過器の中に発生するバイオフィルムの除去ができず、レジオネラ属菌の発生を防ぐことができない。また濃度を濃くすると塩素臭がきつくなることが問題視されている。さらに塩素系の殺菌剤は水中の有機物と反応し、発ガン性のあるトリハロメタンの発生が指摘され、浴槽の安全性が問われるケースが多くなってきた。

 こういった事態に対応するため日本触媒グループの東京ファインケミカル(本社東京)、タクミナ(本社大阪)、日本水処理工業(本社大阪)、テンダー(本社大阪)などの企業が一年半前から酸化力によって殺菌する二酸化塩素の実用化を進め昨年六月、循環式浴槽総合水質管理システム「プロジェクト-Lシステム」を開発した。これに賛同した三重交通グループの三交トラベルも協力体制を敷いている。

  二酸化塩素でレジ菌を滅菌 
大和リゾートは全施設導入へ

 
 最も早く導入を決めたのが大和リゾートでロイヤルホテル30ヶ所のうち、すでに8ヵ所に設置、ゴルフ場も含め随時導入していく方針。大和リゾートでは4年前から独自で水質調査を行ってきたが、各施設で温泉の成分が違う為に対応に苦慮していたところ同システムを知り導入を決めた。

 「プロジェクト-Lシステムは温泉の成分が違っていてもオリジナルで対応ができるために、活用しやすい」と話す。また業界の信頼につながることであればといういう考えから、どのような機械で二酸化塩素を使った滅菌をしているか興味のある施設は見学可能。申し込みはテンダー(06-6282-5256)へ。

 旅館関係者はレジオネラ属菌と浴槽の湯の実態を知らなすぎるとの厳しい指摘もあるが、京都の宮津天橋立観光旅館協同組合では、昨年暮れに青年部の事業で「お風呂の健康診断」を実施。これは加盟旅館すべてが浴槽水のサンプリングを行い、プロジェクト-Lシステムに基づき東京ファインケミカルが分析したもので、各施設が浴槽水の実態を知る貴重な調査事業となった。

 同組合では「通常、自施設の浴槽にいる菌の調査は他に知られたくないのでなかなかできない。しかしこのチームの分析方法はコード番号を記載することで自施設しかわからないシステムで、費用も通常のレジオネラ菌の検査は1.5000円ほどかかるが、その5分の1程度であったことも取り組みやすかった」。

 二酸化塩素はガスそのものは塩素と同様に毒性のある物質だが、水中に溶解するため機械を設置すれば比較的安全に取り扱うことができる。徐々に利用施設が増えている理由として
@トリハロメタンがほとんど発生しない
A塩素臭が少ない
B酸性、アルカリ泉にも効く 
 があげられるが、まがいものの二酸化塩素を販売するところも少なくなく、しかりとした購入先との取引が必要だ。

 旅館関係で設置しているのは以下の通り。
▽京都・天橋立=千歳知恵の湯
▽兵庫・有馬=御所坊花小宿メルヴェール有馬
▽岡山・倉敷=旅館御園
▽広島・宮浜=石亭
▽三重・鳥羽=鳥羽シーサイドホテル