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太閤秀吉と高塚の清水


 高塚の清水は、六甲有馬ロープウエー有馬駅から南へ、いまは廃道になっている「大場越え」の道を20分ほど登ったところにある。16世紀末、豊臣秀吉が湯治にくるたびに飲み、帰ってからも大阪城に運ばせたという伝説の清水である。砂防堰堤が築かれ、道が廃道になってからは、人々の記憶から忘れ去られていたが、2002年春「有馬保勝会」のメンバーが伝承と古文献をもとに探し出した。

 秀吉は、織田信長の配下として播磨方面に転戦したことが縁で、有馬温泉にほれこんだ。天下を取った天正11年(1583年)ごおからは、何度も湯治に訪れている。13年には多額の費用を投入して泉源や浴場を改修、18年には千利休や配下の武将を集めて、大茶会を催した。その茶会に欠かせなかったのが「高塚の清水」。江戸初期の文章にも、有馬3名水と紹介され「いさぎよく、いとひややかにて味わいまた優れたり」という記述がある。